第五回むつき庵はいせつケア実践報告会
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第五回むつき庵はいせつケア実践報告会
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平成26年11月、第五回むつき庵はいせつケア実践報告会が開催されました。例年3月に開催していましたが、今後は秋に開催するため、特例として本年は3月、11月の2回開催となりました。

排せつケアを極めるということ

排せつケアは病気や障害など様々なことにより、快適な排せつが困難になった人を支援するものです。そのためには排せつのメカニズムやケアの技術、また福祉用具や住環境整備など多くの知識を必要とします。では知識を深めればよい排せつケアが実現するかというとそうもいかないのです。

「トイレに行こう」と人を誘う言葉やおむつのなかで排せつせざるを得ない人へのおむつ交換などは、おそらく知識や技術と同じくらい、「そうはできないと知りつつもその人に身をおいてみる」という視点も大切です。そしてこれが簡単ではありません。

しかもその評価?は専門職の方がするのではなく、ケアを受けている方々からいただくものです。それを踏まえつつ、私たちはおずおずと未熟な自分のケアを相手に差し出すしかありません。でもそれを重ねていきたいと私は思っています。そして人が気持ちよく排せつできるために実践を重ねていきたいのです。

この排せつケア実践報告会はそんな気づきのための場です。何らかのかたちで、自身の暮らしや実践に生かしていただければ幸いです。

そしてたとえそんなことがなくても、誰かとちょっと話ができたり、心が温かくなったりするなら、実はそれだけでも嬉しいです。

究めること以上に、他者の暮らしや人生に対して謙虚に向き合う、そんな視点で今後ともどうかよろしくお願いいたします。

鰍ヘいせつ総合研究所 むつき庵 代表 浜田きよ子

日時 平成26年11月15日

09:30〜09:55
開会のあいさつ、おむつフィッター倶楽部発足の報告とお願、おむつ検定のご案内

浜田きよ子

10:00〜10:13

報告 1 「回復期リハビリテーション病棟でのアンダーウェアに関する課題」

 

発表者: 筒井佳恵さん・金剛丸朋子さん (医療法人協和会 第二協立病院)

 

※住み慣れた家へ 望みを支えるケア確立奨励賞を受賞されました。

金剛丸朋子さん

10:17〜10:30

 

報告 2 「排泄ケアから認知症ケアへの展開」

 

発表者: 伊藤美雪さん(医療法人社団 誠馨会 セコメディック病院)

 

※老いを生きるあなたと共に築きたい温かケア賞を受賞されました。
※表彰状は伊藤さんの代わりにボランティアリーダー澤さんが受け取りました。

伊藤美雪さん

10:34〜10:47

 

報告 3 「オムツは入り口」

 

発表者: 椿 眞美さん(木春堂鍼灸)

 

※つながる身体と向き合いたい鮮やか発想感謝賞を受賞されました。

椿眞美さん

10:51〜11:04

 

報告 4 「おむつフィッター 富山ネットワークの歩み
〜おむつフィッター それぞれの取り組みから〜」

発表者: 焼田婦司さん(おむつフィッター 富山ネットワーク)

 

※むつき庵はいせつケア大賞特別賞/富山から発信暮らしを支える絆実践優秀賞を受賞されました。

焼田婦司さん

11:08〜11:21

 

報告 5 「介護はお世話ではない?」

 

発表者: 増井美栄さん・多中千央さん(株式会社さんゆう)

 

※むつき庵はいせつケア大賞審査員特別賞/あなたと出会い生かされる豊かな介護創造賞を受賞されました。

増井美栄さん

11:25〜11:38

 

報告 6 「はいせつケア 明日のために心をほぐして一緒に考えてみませんか?」

 

発表者: 近藤知子さん(障害者支援施設 菰野聖十字の家)

 

※心をほぐし望みをつなぐやわらかケア素敵で賞を受賞されました。

近藤知子さん

11:45〜12:15

 

メーカープレゼンテーション

@ユリケア梶@Aニシキ梶@B潟潟uドゥコーポレーション C白十字梶@D潟Tンコー E龍野コルク工業
Fイデアライフケア梶@Gウチヱ

ユリケア ニシキ
潟潟uドゥコーポレーション 白十字
潟Tンコー 龍野コルク工業
イデアライフケア ウチヱ

13:00〜14:30

 

講演 「ヒトとモノ そのよりよき関係を求めて」

 

講師: 光野有次氏(でく工房/工業デザイナー・シーティングエンジニア)

光野有次氏

14:40〜14:53

 

報告 7 「お医者さんのおむつ研修〜「医師でありながら…」ではなく「医師だからこそ」」

 

発表者: 上田隆一さん(高座渋谷内科外科クリニック)

 

※ はいせつケア大賞を受賞されました。

※ 上田隆一さんのはいせつケア大賞受賞報告
   下段に掲載しています。

上田隆一さん

14:57〜15:10

 

報告 8 「自宅介護に役立った手作り吸引機について」 

 

発表者: 加藤こずえさん(介護家族)

表彰式

「はいせつケア大賞」 「はいせつケア特別賞」「各賞」を授与

加藤こずえさん

16:20〜16:50

 

「おむつ検定」試験の実施

おむつ検定

 

 

上田隆一さんの『第五回むつき庵はいせつケア大賞』受賞報告

  お医者さんのおむつ研修〜「医師でありながら…」ではなく「医師だからこそ」〜


 地域包括ケアという名で医療と介護の連携が言われていますがなかなかうまくいかないですね。組織作りの問題とか知識の問題などいろいろあると思いますが、お互いの意識の問題もあるんじゃないかと思っています。介護にかかわる人は看護師とか医師といった医療の人には敷居があるんじゃないかと思っておられると、思います。

僕は神奈川県大和市で高座渋谷内科外科クリニックという普通の町医者をやっています。泌尿器科医ではありません。そのお医者さんがおむつ研修を受けた。1級まで終わったのです。今日は、そんな医者もいるということを、もっともっと敷居を下げていただきたいと思って発表させていただきます。

話の内容ですが、僕がどんな医者なのか。経歴などをお話します。次におむつフィッター研修を受けるに当たってどんな背景があったのか。そして実践らしきこと。考えていること、などをお話したいと思います。
うちの病院は土曜日、日曜日もやっています。だから今日もやっている日なのですが代診の医師がおられないので今日は休んでいます。この時期はインフルエンザの予防接種で一杯なので今日は皆さん玄関前で泣いているのではないかと思います。

僕は医学部を卒業して30年くらい経っています。僕が受けた講義ではおむつとか排せつに関することはほとんどありませんでした。外科医になったのですが当たり前のように、おむつの知識はほとんどなかったです。外科医ですから人工肛門を作ったりしていたのですが患者さんの排せつケアに関しては、特別な場合を除いて看護師さんに丸投げでした。そして外科医をやめ、ちょっと格好がよいのですが船医になりました。飛鳥という船に乗っていました。セレブの人たちと話して非常に楽しい世界でした。その次には、水産庁のまぐろ船に乗りました。船員たちと飲んだくれていた時代です。当然のようにおむつについてはまったく考えていなかった時代です。楽しい世界でした。5年くらい船医をして、クリニックを開業しました。

僕は白衣ではなく作務衣を着て診察しています。机の上にはパソコンはありません。アナログが好きで、本当は今もこのスライドをどう扱ってよいのか分からないくらい。

おむつフィッター研修を受けようと思った背景には、ひとつにはクリニックを開業したことがあります。開業すると自分の専門以外に、要介護3以上の患者さんを診ることもあります。往診は施設からも頼まれたりする。そうして排せつに関して考えざるを得ない状況になっていきました。

もうひとつは、排せつに関して悩みを持った人が非常に増えてきたことがあります。僕は、笑い療法士の資格を持っています。聞いたことがある人もおられるでしょうが、人を笑わせ、安心・安全を感じさせ、心からの癒しを与える人。ということです。僕は人が好きなので、癒しの環境研究会をしています。

このモアイ像はティッシュボックスです。うちのマスコットで、うちに来院したら一度は笑ってもらおうという意図です。実践では、施設に行っても排せつに関しては何も助言できない。これが悔しかった。また、7、8年前に医療、介護、福祉の連携の必要性を感じて、大和市に大和保健医療福祉ネットワークを立ち上げました。基幹病院が中心になって医療系、介護職、行政、リハビリ、福祉用具の皆さんが集まってきて研修会を事例検討などの形で月に1回以上やっていました。でも医者は僕ともう一人という程度で寂しかったですね。物足りなさを感じていました。医者の意識、介護職の意識、看護職の意識が違いすぎた。そのギャップがよく分かる場でもありました。

そんななか、自分でも何かしないといけないなと思い、医者という立場を隠してデイサービスの事業所でボランティアを始めました。立場を隠したのは介護スタッフに気を使ってほしくなかったからです。本当に貴重な体験で、食事の介助、トイレ誘導、タオル干しなどいろんなことをさせていただきました。僕はレクリエーションだけかと思っていたのですが本当に大変でした。10回程通いましたがそこでやめました。なぜやめたかというと、利用者さんの中にうちのクリニックの患者さんがいて、ばれたからです。

そして、東日本大震災がありました。医者としてすぐに駆けつけたいと思って、震災から6日目の3月17日にAMDAと、茅ヶ崎のロータリークラブ、メイビアという商社さんの3者と合同ミッションとしていきました。千葉の新木場から小さなヘリコプターで南三陸町に行きました。

南三陸町の避難所のひとつ、平成の森に行き、避難してきた人、近隣の人、併設の老人ホームとかで1週間寝泊りをしました。はじめは電気も水道も食料もなかったです。

施設の中では電気がないので明るい場所で、昼間に診察をするなどしました。

このころはトイレは流せなかったので、不衛生ではありましたが子どもたちがしっかりと掃除をしていました。そんな中で人と人の向き合い方を学んで、絆の大切さを学びました。

地域ケアは人と人のつながり。連携が大切になると思っています。このときにおむつフィッターという言葉が魅力でした。笑い療法士の仲間で森山さんという方がおむつフィッターで、ちょうど前回大賞を受賞された方がいて、それでおむつフィッターということを知りました。浜田先生の講演を聞いて、胸を打たれて、そのインパクトが心地よかったのです。そんなことでおむつフィッター研修を受けることにしました。

排尿体験は戸惑いました。講義、実技、試験を含めてすべてが新鮮でした。町医者にはなかなかおむつ介助のチャンスがないです。

そこで、前回の経験にめげずに、今度はおむつ介助を中心にして施設で働きました。今もそこに通っていますが一番すごす機会が多いのが洗濯部屋。

スタッフによっておむつ介助は本当に様々ですが、僕はボランティアで入っているので、スタッフに言われるがままです。今は、デイサービスの手伝いとかタオル干しが主な仕事です。最近は若いスタッフから、おじさん、ちゃんとした仕事を見つけなさい。と助言されました。

自分のクリニックでは、下駄箱を使ってミニむつき庵気取りでおむつを展示しています。なかなか気づいてもらえないのですが、最近は興味を持ってくれる人も増えてきました。

また、先ほどお話したネットワークの会長として、排せつについて考えましょうと呼びかけています。先週の水曜日もネットワークの会の研修会でおむつの話をしてきたばかりです。9人くらいの人が集まりました。
もうひとつ、うちにはロバの耳外来と呼ばれる外来があります。

時間が取れるときには患者さんの悩みとか話したいこと、カルテなしで聞いてあげるだけの時間を作ります。ここにも排せつの悩みでこられる方が多くなりました。

地域包括ケアということは医者が中心となってやらなければならないことはたくさんあります。その中で、お互いの仕事を理解して、できれば顔の見える関係の連携が望ましいと考えています。

おむつフィッター研修を受けた、医師だからこそ大変勉強になったことがあり、それをひとつの力として、よりよい実践を考えています。

Fin.

 

ご協賛頂いた企業・団体紹介

 

株式会社リブドウコーポレーション

大阪府大阪市中央区瓦町1-6-10 JPビル5階

ニシキ株式会社

福岡県福岡市東区原田4丁目22番22号

ミツカワ株式会社

福井県越前市五分市町18-8

株式会社福祉用具研究会

愛知県豊橋市多米東町1丁目1-13・14

旭化成せんい株式会社

大阪府大阪市北区中之島3丁目3-23 中之島ダイビル

四国段ボール株式会社

香川県坂出市林田町4285-145

東レ・オペロンテックス株式会社

大阪府大阪市北区中之島3丁目3番3号 中之島三井ビル20階

日商岩井紙パルプ株式会社

東京都港区赤坂1-11-30 赤坂1丁目センタービル11階

株式会社日本触媒

大阪府大阪市中央区高麗橋4-1-1興銀ビル

ハビックス株式会社

岐阜県岐阜市福光東3-5-7

福助工業株式会社

愛媛県四国中央市村松町190

株式会社マルカワ

愛媛県四国中央市川之江町365番地1

丸紅株式会社 大阪支社

大阪府大阪市中央区本町2丁目5番7号

三菱商事株式会社関西支社

大阪府大阪市北区梅田2丁目2番22号 ハービスENTオフィスタワー

三菱製紙販売株式会社

東京都中央区京橋2丁目6番4号

株式会社MORESCO 大阪支店

大阪府大阪市中央区備後町3-2-15 モレスコ本町ビル7階

レンゴー株式会社 松山工場

愛媛県松山市南吉田町1861

株式会社昭栄商会

静岡県浜松市東区植松町1468-7

有限会社ハルコーポレーション ケアショップハル

大阪府阪南市自然田780-13

あい・あーる・けあ株式会社

東京都葛飾区水元2丁目21-2

アイ・ソネックス株式会社

岡山県岡山市中区江並100-7

有限会社アメイズ

和歌山県和歌山市新中島83-25

井登美株式会社

東京都中央区東日本橋3丁目6-2

カミ商事株式会社大阪支店

大阪府大阪市北区天満1-25-17

株式会社ケンユー 広島県福山市曙町4丁目7番30号

社会福祉法人埼玉福祉会 ケアプラザ彩ふく

埼玉県新座市堀ノ内3-7-31

株式会社サンコー

和歌山県海南市大野中715

株式会社島製作所

大阪府大阪市平野区加美北3-12-5

株式会社竹虎 ヒューマンケア事業部西日本エリア

大阪府吹田市広芝町10-35 江坂南口第二ビル5階

株式会社特殊衣料

札幌市西区発寒14条14丁目2-40

徳武産業株式会社

香川県さぬき市大川町富田西3007

白十字株式会社 関西・中四国営業所

大阪府吹田市芳野町8-3

株式会社モリトー

愛知県一宮市東島町3-36

株式会社ヤマシタコーポレーション

東京都港区三田1-4-28三田国際ビル22階

株式会社ゆみのコーポレーション

兵庫県川西市栄町25-1-111

ユリケア株式会社

神奈川県相模原市中央区千代田4-12-6

ラックヘルスケア株式会社

大阪府大阪市中央区南船場2-10-2

京都府老人福祉施設協議会

京都府京都市上京区猪熊通丸太町下ル中之町519番地

バリアフリー展事務局

大阪府大阪市中央区大手前1-2-15

 

※各社・団体のご厚情によりご支援を賜りました。 (順不同

 

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