介護をあきらめない人たちが集合!第一回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子
考える介護を始めよう
はいせつケア実践報告会
考える介護のために・哲人と対談する 介護現場で考える・福祉用具研究会から プロフィール 高齢生活研究所の事業案内

表紙 > 浜田きよ子プロフィール > 第一回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子 平成23年3月19〜20日

平成23年3月、オムツフィッターの皆さんがそれぞれの現場で取り組んでおられるケアの姿を発表する
実践報告会が開かれました。

1日目(3月19日)

10:30〜10:45  開会のあいさつ 株式会社はいせつ総合研究所 所長 浜田きよ子

10:45〜12:00
むつき庵ボランティアリーダーによるワークショップ
「排泄と姿勢につながる、楽なおどろきの介助」

@数値で読み取る座面の圧変化
数値で見る座面の圧変化
数値で見る座面の圧変化
数値で見る座面の圧変化
ボランティアリーダー小林貴代さん・堺谷珠乃さん・澤幸子さん・熊井利將さん・ケアショップハルの皆さん。


A肩甲骨の位置からボディバランスを見直す
池松民朗さん
池松民朗さん(ボディバランスクリニック)

13:00〜14:20
@基調講演 「介護再考」

西川勝さん

西川勝さん(大阪大学コミュニケーションデザインセンター特任教授)

A対談 「介護再考」

浜田寿美男さん

西川勝さんと対談者:浜田寿美男さん(奈良女子大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授)

14:45〜15:05
報告1

「おむつを理解することから排泄ケアは始まる」

瀬戸口チヨ子さん

発表者:仁風会 牧野病院看護部 瀬戸口チヨ子さん(左)

※ 瀬戸口チヨ子さんは、『第一回むつき庵はいせつケア看護技術優秀賞』を受賞されました。

15:10〜15:30
報告2

「急性期病院においてスタッフに伝達講習を実施して」

発表者:市立四日市病院 渡邉ひろ子さん
※ 渡邊ひろ子さんは『第一回むつき庵はいせつケア オムツフィッター医療教育優秀賞』を受賞されました。

15:35〜15:55
報告3「あなたのわたしの生きる一日を大切に」

〜人として輝いて〜

田中陽子さん

発表者:特別養護老人ホーム絹島荘 田中陽子さん(右)

※ 田中陽子さんは『第一回むつき庵はいせつケア オムツフィッター施設改革優秀賞
特別』を受賞されました。

16:00〜16:20
報告4

「自分たちが行った排泄ケアの改善事例について」

〜おむつの使い方・選び方で変わる入居者の快適さ〜

佐野倫康さん

発表者:ケアプラザ堺 佐野倫康さん

※ 佐野倫康さんは『第一回むつき庵はいせつケアおむつ改善努力賞』を受賞されました。

16:25〜16:45
報告5

「オムツフィッター取得からはじめた地域おこし」

 

「オムツフィッター取得からはじめた地域おこし」は、下記に全文掲載しています。

 

島崎亮司さん

代理

発表者:高山市国民健康保険高根診療所 島崎亮司さん
NPO法人ワイ・アイ・ケー地域福祉振興部ひなた 島崎美樹さん
※東北地方太平洋沖地震の影響で島崎氏が出席できなくなり、ボランティアリーダー澤幸子さんが代読。質疑応答は割愛。

※ 島崎亮司さん・美樹さんは『第一回むつき庵はいせつケア大賞』を受賞されました。ご不在のため、ボランティアリーダー・熊井利將さん、澤幸子さん、小林貴代さんが代理で受け取られました。

16:45〜17:05
報告6

「オムツフィッターからの出発」

〜チーム関西誕生〜

チーム関西

発表者:チーム関西 小林貴代さん(右)・堺谷珠乃さん(左)・熊井利將さん(右中)・澤幸子さん(左中)

※ チーム関西さんは『第一回むつき庵はいせつケア オムツフィッター元気賞』を受賞されました。

17:10〜17:30
報告7

「施設利用者と地域に向けた丹後園オムツフィッターの取り組み」

松見崇志さん

発表者:特別養護老人ホーム丹後園 松見崇志さん

※ :特別養護老人ホーム丹後園 松見崇志さんは『第一回むつき庵はいせつケア 地域連携優秀賞』を受賞されました。

一日目終了
特記事項@
紙おむつメーカーブース展示・相談会を開催。

特記事項A
3月19日・20日の両日にわたり、入場料(両日参加3000円)はすべて東北太平洋沖大地震の被災者支援のために基金として積み立てることになりました。
各講師から講師料を募金頂くなどして、募金総額48万7717円(参加費16万1000円+募金21万6117円)が寄せられました。

紙おむつメーカーブース
紙おむつメーカーブース展示・相談会の様子。
展示相談会出展メーカー(順不同) リブドゥーコーポレーション・白十字・ピジョン・和光堂・近澤製紙所・花王・カミ商事・ニシキ。

 

2日目(3月20日)

10:00〜10:20
報告8

「和歌山の排泄ケアを変えるオムツフィッターの役割」

和歌山はいせつケア研究会
発表者:和歌山排泄ケア研究会 小川隆敏さん・藤本綾子さん・栖原豊さん・熊井利將さん

※ 和歌山排泄ケア研究会 小川隆敏さん・藤本綾子さん・栖原豊さん・熊井利將さんは『第一回むつき庵はいせつケア大賞地域ネットワーク賞』を受賞されました。

10:25〜10:45
報告9

「床ずれ外来を受診した患者のおむつ使用上の問題点と指導」
〜患者のジョクソウ発生原因から考える〜

彦根市立病院さん

発表者:彦根市立病院 北川智美さん・小林由美さん・松居みゆきさん

※彦根市立病院 北川智美さん・小林由美さん・松居みゆきさんは『第一回むつき庵はいせつケア 学術研究賞』を受賞されました。

10:50〜11:10
報告10

「統一したケアから排泄の自立へ」
〜リハビリプログラムを導入して〜

彦根市立病院さん

発表者:彦根市立病院 西村紀子さん・松田斉さん・上田満紀さん・土川和代さん

※ 彦根市立病院 西村紀子さん・松田斉さん・上田満紀さん・土川和代さんは『第一回むつき庵はいせつケア 学術研究賞』を受賞されました。

11:15〜11:35
報告11
「男はつらいよ」
〜男だからわかる男性の排泄〜

小谷仁志さん・片山大海さん

発表者:社会福祉法人真盛園 小谷仁志さん・片山大海さん

※ 社会福祉法人真盛園 小谷仁志さん・片山大海さんは『第一回むつき庵はいせつケア大賞特別賞』を受賞されました。

11:40〜12:00
東北太平洋沖大地震の被災者支援について考える

※ この時間は、報告12「ドラッグストアのオムツフィッターとして」
発表者:株式会社ツルハ 池ケ谷真由美さん・勝木陽子さん・石橋聡子さんの発表を予定していましたが、東北太平洋沖大地震の影響で発表者が参加不可能となり、急きょ、「支援を考える」というテーマで、全員参加の討論会を開催しました。

池ケ谷真由美さん

※ 株式会社ツルハ 池ケ谷真由美さん・勝木陽子さん・石橋聡子さんは『第一回むつき庵はいせつケア 地域推進特別賞』を受賞されました。

13:00〜14:50
講演

「地域を支える医療」

市川晋一さん

講師:市川晋一さん(秋田県仙北市西明寺診療所所長)

15:00〜16:00
第一回むつき庵排泄ケア大賞表彰式
排泄ケア大賞:1組/排泄ケア大賞特別賞:1組/ポスター賞:2組

16:00
閉会のあいさつ

株式会社排泄総合研究所 所長 浜田きよ子

 

 ポスター展示

生き活きサポートセンターうぇるぱ高知〜おしりまわりチーム活動報告〜

生き活きサポートセンターうぇるぱ高知
〜おしりまわりチーム活動報告〜
林佳永さん・澤村文江さん

つどい場 げんごろう

つどい場 げんごろう
伊藤智子さん

伊藤智子さん
伊藤智子さんはポスター賞を受賞されました。

脊髄損傷者の在宅におけるケア

脊髄損傷者の在宅におけるケア
堺谷珠乃さん

排泄トラブルの基礎知識の伝達

排泄トラブルの基礎知識の伝達
ニシキ株式会社 長谷川裕一さん

紙おむつ使用者のモレ・スキントラブルの状況と夜間のモレ改善事例について

紙おむつ使用者のモレ・スキントラブルの状況と夜間のモレ改善事例について
株式会社リブドゥコーポレーション 岡崎真規子さん

 

岡崎真規子さん
岡崎真規子さんはポスター賞を受賞されました。

≪カクイックス ウィング≫って何?

≪カクイックス ウィング≫って何?

株式会社カクイックス ウィング宮崎営業所 大嘉田さとみさん

在宅ジョクソウへのアプローチ〜看取りを通して〜

在宅ジョクソウへのアプローチ〜看取りを通して〜
ベル訪問看護ステーション 塚原一子さん

介護の専門性を目指して!

介護の専門性を目指して!
黒崎良子さん

認知症の人と家族の会における活動
認知症の人と家族の会における活動
認知症の人と家族の会 滋賀県支部 澤幸子さん
 

広範性発達障害児の自立に向けた排泄行動を通して
広範性発達障害児の自立に向けた排泄行動を通して2
広範性発達障害児の自立に向けた排泄行動を通して
田島睦子さん

 

島崎亮司さん・美樹さんの『第一回むつき庵はいせつケア大賞』受賞報告

 「オムツフィッター取得からはじめた地域おこし」

発表者:高山市国民健康保険高根診療所 島崎亮司

NPO法人ワイ・アイ・ケー地域福祉振興部ひなた 島崎美樹

(座長 瀬戸口チヨ子氏)

東北地方太平洋沖地震の影響で島崎氏が出席できなくなり、ボランティアリーダー澤幸子氏が代読。

座長 実は島崎亮司さんと島崎美樹さんは高山市から来られる予定でしたが、今回の地震の影響で急きょ来られなくなりました。代わりに、ボランティアリーダーの澤幸子さんが原稿を代読する形で報告といたします。


 澤幸子氏の代読

まず私たちが暮らす岐阜県高山市高根町の位置です。岐阜県の北西部にあり、北は乗鞍岳、東は御嶽山に囲まれ、標高1000m以上、NPOの事務所がある目和田地区は標高1300mの高冷地です。人口440人、高齢化率が47%と山村へき地の最先端を走っております。

高根町は寒いです。どのくらい寒いかと言いますと、これが先週の3月11目の高根診療所の風景です。最高気温マイナス3°でした。この日はこの写真を撮影した後、大地震が起きました。本当にご冥福をお祈りします。最低気温はこんな感じです。マイナス20度程度の日が何日も続き、最高気温が0度を超す日が1月はほとんどありませんでした。私たちは冷蔵庫を「保温」のために使います。外に置いておくと凍結してしまうので、凍らないようにするために冷蔵庫に入れます。

さて、私たちが排泄ケアに力を入れ始めたのは、尿カテーテル留置事件からでした。

事件が起こったのは平成20年8月。尿カテーテルが社会的適応で挿入され、本人が嫌がっているにもかかわらず何もしようとしない医師に向かって、「薬だけ出して何も本人のことを考えないような医者なら、この高根には必要ない。地域医療というけど、何がしたいの?本人にとって何かできないの?」というひとことをスタッフ、あえて名前を公表すると高根診療所看護師の島崎美樹さんから言われたのがきっかけで、排泄ケアに真剣に取り組み始めました。

そして浜田さんの『排泄ケアが暮しを変える』という本に出合い、オムツフィッターになりたい!と思うようになりました。そしてついに平成21年2月に念願のオムツフィッター研修を受講し、オムツフィッターとなりました。
オムツフィッター研修を受講し、まず初めに考えたのが仲間を増やそうとしたことでした。オムツフィッターの知識はとてもいい知識です。この知識を私だけが知っていても役に立たない。地域の医療福祉スタッフと分かち合えば、より良い排泄ケアを提供できるのではないか?と思いました。

そこで仲間を増やすために、高根町の社会福祉協議会、福祉サービス公社、デイサービス、包括支援センター、高根支所職員に声をかけ、排泄ケアの勉強会を実施しました。排泄ケアの知識を共有し、多職種が共同して取り組むことの重要性も分かち合いました。参加者は皆オムツフィッターの知識に感銘しました。
そしてこの参加者がつながりの強化、協働のためにボランティア団体「高根ケアサポートころあい」を結成し、様々な地域福祉活動を行い始めました。

その1つの活動として、認知症寝たきり状態の患者さんに多職種アプローチなどを行い、自発性を高めました。その結果、寝たままで排尿して、汚れたズボンもパンツも何日もはいていた方が、自発性が高まり、善光寺参りに行ける程度までADLが向上しました。この方は昨年7月に永眠されましたが、遺族訪問の際にご家族からこんな言葉をいただきました。「善光寺参りに行けてよかった。人生最後の旅行だった。本当にいい思い出になった」。このケース以外にも、様々なケースで多職種アプローチを行いました。

また平成21年9月に住民の3分の1の方が参加した排泄ケアの講演会を開催しました。この排泄ケアの講演会の後、高根では排泄ケアが身近なものになり、いろいろな相談を受けるようになりました。

排泄用具を診療所に展示したり、各施設で排泄ケアの普及をそれぞれの方法で行いました。

昨年の11月にはころあいメンバーが中心となって、劇団島崎による健康演劇を町内の文化祭で披露しました。高根において多く見受けられる病気について、楽しく、かつ真剣に伝えることが出来ました。

このような活動を高根町で行っていたところ、高山市街地の介護施設から、「ぜひうちの施設でも排泄ケアの知識を知りたい」と排泄ケアの研修会の要望が来ました。そしてその講演会をきっかけにオムツフィッターの資格を取得する方も現れました。

また介護施設だけでなく、一般市民の団体、社会福祉協議会、そして地域の基幹病院からも講演会の依頼があり、排泄ケアの知識を分かち合いました。

この中で、昨年1月に浜田さんをお呼びして、高山市役所大ホールで「間違いだらけの排泄ケア」の講演会を開催しました。高山市医師会、高山市介護施設連絡協議会の協力を得て、医療・福祉関係者総勢231名の参加がありました。アンケートでも、「非常に役立った」、「介護される本人のことをもう一度考え直すきっかけになった」「介護の原点を見た」と、大好評でした。

また昨年6月に、中日新聞にオムツフィッターの医師、ということで紹介されました。この記事をきっかけに東海地方のオムツフィッターと知り合うことが出来ました。

その中で、60代女性、子官がんの方の相談を受けました。メーリングリストでも紹介しましたが、がんによる陰部からの出血に加え、膀胱直腸機能の低下により尿と便が垂れ流しの状態でした。私のところからでは遠方であることから、近くのオムツフィッターに柑談し、協力して対応しました。

私は電話、お手紙での対応でしたが、相談後に、スライドにあるようなお手紙をいただきました。「ちょっと上を見て」。最初のお電話では絶望のどん底のような印象を受けました。しかしその中から、「ちょっと上を見て」という、そんな気持ちが芽生えたのかと思うと、関わらせてもらって、本当に良かった、と思いました。

残念ながら相談開始後2か月で永眠されましたが、家族からお電話があり、「最後の2か月は、本当に人間らしく生きることができました。最後の入院のときに、島崎医師の新聞記事とお手紙を大事に鞄の中に、母はしまっていました。先生のお手紙を何度も何度も読んだのか、お手紙はくしやくしやになりながら、それでも沢山のマーカーをしてありました。母は、オムツフィッターに救われました。本当に感謝します。娘としても、こんなに嬉しいことはありませんでした。このようなオムツフィッターの活動が今後どんどん広がることを期待します」と言われ、私も涙を流しました。

飛騨地区にたくさんのオムツフィッターが誕生しました。多施設にわたりオムツフィッターが誕生していることから、飛騨地区での連携を深めるために「オムツフィッターさるぼぼの会」を昨年10月に結成しました。現在11名の会員がいますが、毎回新しい方が増え、次回は4月に第3回の研修会を予定しています。

これまで排泄トラブルについて相談したくても高根では高山市街地から40km離れていることから、なかなか相談に来ることはできませんでした。そこで、高山市街地でも相談場所を!ということで、つどいの場・ミニむつき庵「ひなた」が本年2月にオープンしました。

相談場所は高山市街地の中心部にある総合福祉センターで、社会福祉協議会の全面支援のもと、月に約5、6回開催しております。

これはオープン初日の写真です。開催当日は緊張しておりましたが、浜田さんから豪華なお花をいただき、心がほぐれ、ちょっと笑顔が出たときに撮影しました。

オープン初日は来訪者も少ないかと思っていましたが、予想以上の方が来訪され、相談、見学をされていきました。1時間以上相談される方や、介護施設に勤務している方など、いろいろな方がみえました。
ミニむつき庵で介護者のつどいを開催し、実際に介護されている方の悩みをお聞きしながら、オムツ類の使い方や選び方を実際に手で取ってみて説明しました。実際にお困りの方ばかりでしたので、非常に有意義な会となりました。

オープンから今までの来訪者数のグラフです。この内、相談の場合にはお一人当たり30分程度時間をかけるためご予想以上に忙しく解説しております。

さて、オムツフィッターを取得してとてもいい知識と感銘を受け、仲間を増やすことをしました。そして様々な活動、事例の支援を行う中で、別の問題に直面しました。

それはこの高根にはいくらいい方法を提案しても、オムツを替える人がいない、という現実でした。

高根町は、人口440人、高齢化率47%です。特に独居、高齢夫婦の割合が高く、高根診療所通院患者のうち、独居の方の割合は約20%で、逆に65歳以下の家族と同居されている方の割合は49%です。つまり若い人と同居していない方が51%と、半数以上いるという家庭環境です。

またオムツフィッターとして現場に介入した時に見えてきたのは、介護環境が他地区に比べて圧倒的に悪いことでした。例えば、ホームヘルパーさんは高根には1人しかおらず、ほとんどの場合40km離れた高山市街地からサービスを提供しに来ます。特に高根町の一番奥の野麦地区では、高山市街地から片道1時間30分かかり、往復だけで3時間かかります。そのような地理的な側面から、高根町ではヘルパーさんが同一家庭に1日3回サービスに入る、ということはまずありえません。ナイトのサービス、という概念もありません。
これ以外にも様々な面で、他地区より圧倒的に介護環境は劣悪です。

そんな環境ですので、オムツの中がムレないように、と思って1日に何回かオムツ交換をする計画を立てても、交換する家族がいない、介護サービスが提供できない、という現実にぶつかりました。

そんな現実を嘆いていたところ、神の声が聞こえてきました。「無いのであれば作ればいい。京都にはなくて高根にあるものがいっぱいある」。この神の声は誰か?ご想像にお任せします。そこで私は猛烈に反省しました。ないからあきらめていいのか?本当に高根には何もないのか?いや地域のつながりという面では、どこよりもあるのでは?と思いました。

そこでないもの探しぽかりしていても前に進まない。まずあるものを探してみよう!と考えました。

例えば、のくとい館が高根にあります。高根の冬の厳しい寒さ、雪の生活を高齢独居の方が暮らすには本当につらいです。高根では12月から3月まで名古屋や岐阜市などの暖かな所にいる息子の家に「移住」するケースが多く見られます。しかし、息子のところで暮らしても、周りの人は知らない人ばかりで話す相手もいない。息子の家で暮らすのは安全かもしれないけれ,ど、その人らしい暮らしには程遠い。そこでなんとか冬でも高根で暮らす方法はないかと考えたのがのくとい館です。

「のくとい」とは飛騨弁で「あたたかい」を示します。のくとい館は高根にある集合住宅を利用して、肩を寄せ合って暮らすことで、人とのつながりを維持し、高根で暮らす、という高齢者集合住宅を全国で初の試みとして平成20年から開始しました。

また、高根に暮らすある方は、そば打ち名人で、2年前に水車小屋を利用してそば屋を開店しました。また地元の方にそば打ちを教え、そばの会を結成しました。そばの会では、高齢者に暖かいそばを提供したい、というボランティア精神から、当地区のデイサービスでそばをふるまったり、私の親友の医師がいる世界遺産白川郷の小規模施設でそばを提供したりしました。

また高根診療所も積極的に活動しております。私が赴任する前は在宅死、という文化がなく、病気になれば40km離れた高山市街地の病院に入院して最期を締めくくる、という現状でした。しかし町内会長の会議で説明、公民館を巡って説明、診療所便りを作成して説明するなど積極的に行動することで、高根町における死亡者のうち、平成22年の自宅看取り率は85%でした。

そして平成22年10月、高根町で地域リハビリテーション研修会を関催しました。この地域リハビリテーションという概念は「高齢者や障がい者、その家族が住み慣れた土地で、そこに住む人々とともに、いきいきとした生活が送れるように、あらゆる人、機関、組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動」と定義されています。この問題を医療福祉関係者だけでなく、一般の住民にも一緒に考えてもらおうと考え、高根町の町内会長、民生児童委員、商工会、地域審議委員の方々をお呼びして研修会を開催しました。

研修会の中でワークショップを行いました。そこでは高根町における医療福祉の実例を紹介し、一般の方にもその現実を伝えました。またその中でそれぞれの立場で何が出来るかを考えてもらいました。

その中で、一般の方から写真に示すような提案がされました。高齢者Aさん、Bさんを支えるのは、まずは家族であり、その家族を支えるのは医療福祉サービスであり、そのサービスを支えるのは地域・コミュニティであり、地域・コミュニティを支えるのは行政である、という意見です。その研修会の模様が岐阜新聞で掲載されました。

この研修会でも「地域のつながり」という強さを一般住民、医療福祉関係者ともに実感しておりました。そこで、この地域の力と家族の力、という介護保険サービスにないインフォーマルな力を、フォーマルと有機的に結び付けることで、高根独自の解決方法になるのでは、と考えました。そこでNPO法人による地域福祉の活動を美樹が行うこととしました。

NPO法人地域福祉振興部ひなたを昨年12月に立ち上げ、スライドに示す活動計画を立てました。支えあいマップの活用では、民生委員、社会福祉協後会、診療所と連携し、形だけでなく真に活用できるマップとして作成し、普段の支援に役立てようと現在取り組んでいます。

また活動を行う際に、先進的に活動されている地区へ見学に行きました。写真の方は長野県松本市の蟻ケ崎西町内会の福島さんで、もともと主婦でしたが、町内会活動を活発にして、隣近所の力を借りた支えあいのまちつくり、町内の高齢者が集まってお弁当作りをする仕組みなどを見事に成功させ、現在は松本市議会の議員を務めておられます。

また地域コミュニティの専門家であり、岐阜県の地域学を取り仕切る岐阜経済大学の鈴木教授を高根にお招きして、高根町の課題などについて助言をいただきました。

こういった勉強もしつつ、活動を開始しました。子育て支援活動では、診療所の医師より小さな子供を抱える母親に対して、病気の時の対応法や診療所受診の目安などを教える講座を設けました。

いきいき健康サロンでは社会福祉協議会、地元婦人会などと連携し各公民館で体操や談話を行いました。今年に入り10回以上開催しております。

そして本題である、地域の力、家族の力を医療福祉サービスに有機的に結び付けるための活動を今後計画しております。コミュニティビジネス、地域通貨など様々な取り組みを勉強し、今後高根で活かされるような仕組みを住民とともに考えていければと考えております。

 

まとめです。オムツフィッター研修をきっかけに、仲間を増やしました。

そして仲間だからいろいろできました。そしてその仲間が高根から高山、そして全国に広がりました。その結果、ミニむつき庵をオープンできました。そして、もう一つ。オムツフィッター活動を通して、オムツを替える人がいないという現実に直面しました。そして地域を考えるようになりました。神の声をきっかけにあるもの探しを始め、高根の魅力に気が付き、そして地域の力を十分に活かせるよう、NPO活動を開始しました。

この二つが、私達二人がオムツフィッター研修から影響を受け、行った活動です。

以上です。有り難うございました。

 

ご協賛頂いた企業・団体紹介

 

株式会社ヤマシタコーポレーション 東京都港区三田1丁目4番28号 三田国際ビル

徳武産業株式会社 香川県さぬき市大川町冨田西3007番地

株式会社ランダルコーポレーション 埼玉県朝霞市西原1-7-1

花王株式会社ヒューマンヘルスケア事業部 東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号

株式会社リブドウコーポレーション 大阪府大阪市中央区瓦町1-6-10 JPビル5階

有限会社アメイズ 和歌山県和歌山市新中島83-25

アイ・ソネックス株式会社 岡山県岡山市中区江並100-7

はごろもフーズ株式会社 静岡県静岡市清水区島崎町151

社会福祉法人埼玉福祉会 埼玉県新座市堀ノ内3-7-31

株式会社特殊衣料 札幌市西区発寒14条14丁目2-40

日本セイフティー株式会社ラップポン事業部 東京都文京区小石川1-3-11 イトーピア小石川梅津ビル

株式会社エーアイジェイ 大阪府大阪市淀川区西宮原2丁目7-38

ニシキ株式会社 福岡県福岡市東区原田4丁目22番22号

ミツカワ株式会社 福井県越前市五分市町18-8

株式会社福祉用具研究会 愛知県豊橋市西小鷹野4丁目8-17

旭化成せんい株式会社 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番23号 中之島ダイビル

四国段ボール株式会社 香川県坂出市林田町4285-145

住友スリーエム株式会社 東京都世田谷区玉川台2-33-1

東レ・オペロンテックス株式会社 滋賀泉大津市園田1-1-2 滋賀事業場ライクラ・テクニカルセンター

日商岩井紙パルプ株式会社 東京都千代田区永田町2-12-4 赤坂山王センクービル8階

株式会社日本触媒 大阪府大阪市中央区高麗橋4-1-1興銀ビル

ハビックス株式会社 岐阜県岐阜市福光東3-5-7

福助工業株式会社 愛媛県四国中央市村松町190

株式会社マルカワ 愛媛県四国中央市川之江町365番地1

丸紅株式会社 大阪支社 大阪府大阪市中央区本町2丁目5番7号

三菱商事株式会社関西支社

大阪府大阪市北区梅田2丁目2番22号 ハービスENTオフィスタワー

三菱製紙販売株式会社東京都中央区京橋2丁目6番4号

株式会社MORESCO 大阪支店大阪府大阪市中央区備後町3-2-15 モレスコ本町ビル7階

レンゴー株式会社 松山工場 愛媛県松山市南吉田町1861

あい・あ−る・けあ株式会社 東京都葛飾区水元2-21-2

井登美株式会社 京都府京都市下京区室町通高辻下ル高辻町581番地

ウチヱ株式会社 兵庫県尼崎市西長洲町2-8-29

株式会社カクイックスウィング営業本部 鹿児島県鹿児島市谷山港1-2-7

カミ商事株式会社 愛媛県四国中央市三島宮川1丁目2番27号

希望の椅子(闘う脊髄損傷者グループ) 兵庫県神戸市兵庫区下祇園町1-11 1階

株式会社ケンユー 広島県福山市曙町4丁目7番30号

株式会社幸和製作所 大阪府堺市堺区海山町3丁159番地1

株式会社ザ・シカゴ・トーキョー・グループ 東京都中央区日本橋浜町2-28-1 日本橋久松ビル4階

シーホネンス株式会社 大阪府東大阪市高井田西5-1-30

株式会社島製作所 大阪府大阪市東住吉区桑津4丁目3番9号

住環境テクノロジージャパン株式会社 千葉県船橋市北本町1-17-25ベンチャープラザ船橋105

株式会社タイカ 東京都港区高輪2丁目18番10号

株式会社近澤製紙所 高知県吾川郡いの町4003番地

ナカバヤシ株式会社 大阪府大阪市城東区中央2丁目1番23号

白十字株式会社 東京都豊島区高田3-23-12

ピジョン株式会社 東京都中央区日本橋久松町4番4号

フットマーク株式会社 東京都墨田区緑2−7−12

株式会社宮源 和歌山県和歌山市本脇252番地

株式会社モリトー 愛知県一宮市東島町3-36

ゆうえる株式会社 大阪府吹田市津雲台4丁目1-11

有限会社悠豊 兵庫県神戸市兵庫区下祇園町1−11

ラックヘルスケア株式会社 大阪府大阪市中央区南船場2-10-2

株式会社リッチェル 富山県富山市水橋桜木136

和光堂株式会社 東京都千代田区神田司町2-14-3

京都府老人福祉施設協議会 京都府京都市上京区猪熊通丸太町下ル中之町519番地

バリアフリー展事務局 大阪府大阪市中央区大手前1-2-15

 

※各社・団体のご厚情によりご支援を賜りました。 (順不同)

 

『第一回 むつき庵 はいせつケア実践報告会 抄録』は、
むつき庵から実費(3,000円)で頒布しています。送料別。

〒602-8123
  京都市上京区下立売通黒門西入橋西二町目648

Tel. 075-803-1122 Fax. 075-803-1123

関耐えるためのヒント

 

『浜田きよ子プロフィール』はコチラ→

『活動事例報告2011年仙台』はコチラ→

『活動事例報告2012年東北訪問』はコチラ→

『苗プロジェクトを知ってください』はコチラ→

『メディア情報』はコチラ→

『バリアフリー2013』の様子はコチラ→

『バリアフリー2014』の様子はコチラ→

『バリアフリー2015』の様子はコチラ→

『バリアフリー2016』の様子はコチラ→

『バリアフリー2017』の様子はコチラ→

『バリアフリー2018』の様子はコチラ→

『第一回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『第二回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『第三回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『むつき庵がグッドデザイン賞を受賞』はコチラ→

『第四回むつき庵はいせつケア実践報告会ならびに10周年記念公開企画の様子』はコチラ→

『第五回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『第六回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『第七回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

『第八回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→

浜田きよ子プロフィール
浜田きよ子プロフィール

活動事例報告2011年仙台訪問
活動事例報告2011年仙台訪問
活動事例報告2012年東北訪問
活動事例報告2012年東北訪問
苗プロジェクト
苗プロジェクトを知ってください
メディア情報
メディア情報
バリアフリー2013
バリアフリー2013の様子
バリアフリー2014
バリアフリー2014の様子
バリアフリー2015
バリアフリー2015の様子
バリアフリー2016乃様子
バリアフリー2016の様子
バリアフリー2017の様子
バリアフリー2017の様子
バリアフリー2018の様子
バリアフリー2018の様子
第一回実践報告会の様子
第一回実践報告会の様子
第二回実践報告会の様子
第二回実践報告会の様子
第三回実践報告会の様子
第三回実践報告会の様子
第四回実践報告会の様子
第四回実践報告会の様子
第五回実践報告会の様子
第五回実践報告会の様子
第六回実践報告会の様子
第六回実践報告会の様子
第七回実践報告会の様子
第七回実践報告会の様子
『第八回むつき庵はいせつケア実践報告会の様子』はコチラ→
第八回実践報告会の様子
むつき庵のサイトはコチラ
むつき庵のサイトはコチラ→
高齢者の作品収集と展示
高齢者の作品収集と展示
グッドデザイン賞
グッドデザイン賞

考える介護のために・対談シリーズ介護現場で考える・福祉用具研究会プロフィール・著作紹介高齢生活研究所 | 表紙へ

考える介護をはじめよう Copyright (c) 浜田きよ子 高齢生活研究所